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建築現場での補修とは、仕上がりと効率の折衷案である

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建築補修を簡単に説明すると、「キズがあれば、埋めて色をつける。」ということになります。シート加工のものは印刷されているのでそれで良いのですが、木部に塗装仕上げしたフローリングなどの建材はどうでしょうか。本来なら、家具修復のように木部の復元に注力すべきものですが、一つのキズに何日もかけられるでしょうか。

建築補修に採用される工法は、仕上がりと効率の折衷案である
工期内にリペアを完工するためには家具修復の様に時間がかけられない。ならば、限られた時間でリペアするにはどうすれば良いか。と考えることになります。この要求に応えた独・米社製のリペア材料と技術は業界の主流になっています。
この技術を利用して、塗装仕上げのフローリングであっても「キズがあれば、埋めて色をつける。」というシンプルな考え方で補修すると、現場は完工出来るようになります。このリペア方は「キズは隠すもの」という工程を経ています。キズを埋めた後に色をつけて隠してしまう技術だからです。
家具の場合は、木部が命ですから、木部をパテなどで埋めて木目書きして本物に見せかけるというやり方は基本、採りません(木部の発色と塗料の発色は性質が異なり、部分的に直したことが判ってしまうから)。

双方の修復で特徴的な塗料の使い方の違いは、

〇家具修復は透明感のある塗装(染料的)で木目を引き立てた表現をする

〇建築補修はキズを隠す隠蔽力の強い塗料(顔料的)を用い、木目などは描き込んで表現する

ということになります。

双方の塗装による見え方の差を表現をすれば、
〇木の板に茶色のセロファンを貼ると、木目のある茶色の板に見えます。
〇板を茶色のペンキで塗ると、ただの茶色い板になります。木目は描かないといけません。

ということになります。

この違いは、仕上がりに大きな影響を与えます。

よって、建築補修屋さんの事前説明は、
仕上がり品質について、「遠目で見れば判らないレベル、目を近づけて見れば直したことが判るレベル」フローリングの場合は「立って見たら判らないレベル、目を近づけて見れば直したことが判るレベル」と説明される場合が多いです。

「あのキズがここまで直った。良かった」というレベルが完成形となるケースも多く、仕事の結果、喜んでいただけたら、それは良い仕事をしたということになるでしょう。

家具と建材のキズについては、同一基準で考える事が出来ない部分があるのです。

しかし、完璧さを求め続ける職人、業界が存在しているということも事実で無視することは出来ません。
一見、同じようにも見える修復の仕事も、立ち位置の違いで修復方法まで変わってしまうのです。
この感覚を修復の時に持っているかどうかは、職人さんの仕上がり品質に大きな影響を及ぼします。

家具修復は木部の修復に長けており、塗装も同様、家具塗料を知り尽くした職人が塗装するので隙が無い。時間はかかるので、建築現場では対応が難しい。
建築補修は塗料が主役。キズは隠して塗料で素材の表現をするため、何でも表現できるが、素材の質感の差はどうしても出てしまう。

このような違いがあることを知っておく必要があるのです。

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