こちらの写真は、前回の縁甲板を見ていた角度を90度変えた視点で撮影したものです。
前回が南側から見ていたとすると、西側からの視点に変えています。
お住まいの方が来客対応の際に見るのは今回の写真の様な景色になります。
今回は周囲の色に比べて、直した所が濃い茶色に目立って見えます。
全く同じ物が見る角度を変えると別物のようになってしまうのです。
この状態の修整には濃く見える部分を明るく見せる必要があるのですが、
既にある色を、薄くしていく塗料は無いため、明るい色を乗せて違和感を少なくしていくことになります。
この着色の仕方は効率が悪いだけでなく、仕上り時の見た目も違和感が強くなるなどの影響があるため、塗装を取り全てやり直しする事もあります。
いずれにしても頑張って修整するのですが、解決出来そうに無い問題だということにお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
なぜならば、南側の見た目に合わせると西側で違和感が出るということは、反対に西に合わせれば南が合わなくなるのではないか。という疑問がおきるからです。
その通りです。角度を変えて修整しても他の角度から見るとまた色が合わなくなるのです。
今回の場合、西からの見た目で色を合わせると南から見たときに白っぽく目立つように仕上がります。つまり、どうにもならないのです。
実際の現場でも「これ以上はどうすることもできません」と説明されることも多いのが実態です。職人さんは、どうしたら一番違和感の少ない着色になるか考えながら様々な角度で確認しながら塗装するのですが、全ての角度に合わせることが出来る塗料は開発されていません。
キラキラと光る塗料で光の乱反射をおこして違和感を軽減する塗料などが開発されていますので、これらの材料を使用して工夫しているのが実態です。
次回は何故このようなことがおきるのかお話しいたします。