柾目模様の描き込みについて
前回は板目模様の描き込みについてお話し致しました。
今回の「柾目」は、比較的真っ直ぐな線が平行に並んでいるのが特徴です。
板目よりも線の変化が少なく規則的に並んでいるのですが、
柾目模様の修復は難易度が高くなることも多い手強い相手でもあります。
理由は
・乱れのない真っ直ぐの線を何本も間隔を揃えて描き込む必要がある
(ちょっとした乱れが全体の印象を崩してしまうため)
・板目より完成度の高い色合わせをする必要がある
(板目模様は色の濃淡も変化に富んだものが多く、ある程度色の差異があっても自然に見えるが、柾目の場合、同じ調子の色が端から端まで続く事が多いので少しでも色が違うと補修部のみ色の差が目立ってしまうため)
線の描き込みと、色合わせの精度を高める必要があるという事なのですが、
柾目の建材は、玄関周辺の廊下や縁甲板(和風建築の縁側などに使われることが多いです)のように重要な場所に高級建材として存在感を示していることも多いため、家の品格を損なわないようにと冷や汗をかきながらの作業になることもしばしばあるのです。
次回は、何故冷や汗をかくのかについてお話ししようと思います。