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塗料の性質と修復計画

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これまでお話しして参りましたように、見る位置により色の明暗が変化する木材の修復は難しい作業となるのですが
キズが発生してしまった場合、直さないわけにはいきませんので
出来るだけ目立たないように着色計画を立てて修復していきます。

〇着色について
 塗料の色を決めるものとして、染料と顔料の二つの着色材料があります。
 これらの塗料には着色効果に特徴がありますので
 この特徴を活かしながら着色していきます。

・染料は、
 水やシンナーなどに色の成分が溶け込む性質が有ります。
 布などの染め物は染料の代表的な使用例といえるでしょう。
 色の成分が繊維に染み込んでいきますので素材の質感が活きた着色が可能です。

・顔料は、
 水やシンナーなどに色の成分が溶け込まない性質です。
 色が粉状のままなので素材に着色出来ず、樹脂などの塗料成分に混ぜ込んで着色材として使用します。
 外壁塗装に用いるペンキは、身近な顔料系塗料といえるでしょう。
 下地を、顔料(色の粉)が覆い隠すことで青色や赤色の塗装面が完成します。

○ 着色の効果
 木材に染料と顔料を塗装した場合、どのような仕上がりになるでしょうか

・染料の場合
 染料は下地を隠す隠蔽力が弱いため、木目が透けて見えます。
 綺麗な木目を活かした塗装をしたい場合に染料はよく用いられます。
 家具などの他、高級木材を使用した建材への塗装に使用すると美しい木目が際立ちます。

・顔料の場合
 顔料は下地の隠蔽力が高いため、木目が消えてしまいます。
 外部のベンチ、デッキ、木柵などは顔料系のペンキで塗装されることも多いようです。
 染料系の複雑な色彩ではなく、単色で統一された塗装面の表現となります。

〇修復での使用計画

 隠蔽力の高い顔料は、キズの痕跡など、色の乱れを隠すのに効果的です。
 下地の模様を活かして着色する場合は染料を用いると効果的です。

 見映えの調整のため、下地の発色を抑えたい場合は顔料を、
 下地を消さず、透明感を出したい場合などに染料を
 など、それぞれの特性を活かした塗装計画を立てて着色していきます。
 

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