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天然木はなぜ修復が難しいのか

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​なぜ天然木は修復が難しいのか

天然木は、その特徴を活かすために
透明に近い塗装が施されることが多く、
着色塗料を使う場合も
ペンキのように木目を隠してしまうような塗料ではなく
木目が透けて見えるように着色出来る塗料を使います。

そのため、木部にキズが付くと同じ塗料でキズを隠すことは難しくなります。
木部のキズを完全に直すには木の細胞レベルで直す必要がありますが
極めて難しく、比較的浅い凹みがほぼ平らな面に復活したとしても潰れた表面の細胞は
起き上がってこず、周囲と比べて少し違和感が残ってしまいます。

繊維が断ち切れてしまったキズや、欠損などはどうしてもキズの痕跡が目立ちます。

白木”しらき”と呼ばれる無塗装の天然木は
塗料が使用されていないため、
キズが付くと塗料で消す事ができず、
研磨によりキズを削り取ってしまう事も多くありますが、
ごく浅い傷に限られます。

塗装された木の場合でも
このキズの痕跡を何とか消そうとすると、
木目を隠してしまうような塗料を使わざるを得なくなります。
本来の塗料とは異なる性質の塗料を使う事も
完成後の見た目に違和感が生じやすい一因となっているのです。

木部の再生が困難なこと
異なる性質の塗料を使うこと

補修業者も「直る気がしない。」と音を上げることもある天然木なのですが、
実際は、直す機会も多くあり、それぞれの職人さんが工夫しながら直しています。
 
次回は、実際の修復例で
“なぜ直らないのか”をお話しできればと思います。

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